Sanoの館

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読破 partⅢ 田岡一雄自伝「山口組三代目」

山口組三代目 田岡一雄 自伝 読破しました

 

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別に昨今話題になっているから手に取ったわけではない

 

前々からとても気になっていた人物であったし

 

世間の吹く山口組(のイメージ)ではなく当人が創設した山口組なる姿を知っておきたい気持ちがあったので機会があればと思っていた

 

自伝が創刊されていることを知り第1部を手にしてみたらのめり込むように第3部まで読み切ってしまった

 

当書を読んで山口組が今日ここまで話題になる理由がようやく見えてきた

 

侠道という精神を貫いているからだと思う

 

 

戦後 日本は敗戦国となり警察当局の威厳と力はあってないような時代

 

第三国民と呼ばれる朝鮮人が日本の港湾を闊歩し暴力殺人強姦など目に余る犯罪行為はやりたい放題の無法地帯が存在した

 

その時代に衰退した警察当局が第三国民から市民を守るため護衛団体として依頼し結成されたのが田岡一雄氏率いる神戸を母体とした山口組であるというのは有名な話

 

その後山口組は自然発生的にその底辺を拡げ、年を追って全国各地へ強固な根を張るようになっていき

 

昭和38年には傘下424団体 構成員9450人を数え、かつてその例を見ない大世帯になっていった

 

昭和39年には傘下数は526団体に達し準構成員を含めれば18万人余が山口組の大紋の下に集まっていた

 

田岡一雄氏の3代目山口組襲名時はわずか11人の直系若衆と9人の舎弟で発足した組がここまで大きくなったのには時代の波という一言だけではないと言えるはず

 

そこに取り憑かれるものがあったからこそだと本書から感じとれる

 

 

田岡一雄氏の人侠道とは弱きを助け強きを挫くであり

 

と同時に日本社会への貢献を強く掲げていた

 

現に山口組の組員は正業を持つことを必須とされていた

 

賭博やカスリで食うのではなく自分自身の仕事を持つことが掟であり様々な事業へ踏み出していった

 

世間から見捨てられたも同然の人間を養い人としての道徳を身につけさせ社会貢献を通じて復帰させる

 

山口組は戦後の混乱に半端者となった国民を立ち上がらせた親のような存在であったと思う

 

金儲けを通じて一端の大人に成長してゆくのではなく

 

侠という信念を持って社会貢献に向き合い その枝にあるのが自分で自分の飯を食うビジネスマンとしての顔を持つことが最低条件であると

 

なんらかの仕事につき自分の安定を保つことを優先しそれを促す今の社会の在り方とは正反対の教訓にある信念だと思う

 

そんなところに忘れかけていたものを感じとらせてもらった本書です

 

 

何か機会があれば手に取って読んで頂きたい書です

 

今自分が夢中になっていることに 更に大きな翼が生えることでしょう